RCメカ関係、ステアリング周りに続き、バッテリーと充電器についてのまとめです。

バッテリーの種類と特徴
現在、電動RCカー用として広く使われているバッテリーには、次の4種類があります。
ニッケルカドミウムバッテリー(Ni-Cd)
ニッケル水素バッテリー(Ni-MH)
リチウムポリマーバッテリー(Li-Po)
リチウムフェライトバッテリー(Li-fe)
それぞれの特性について順次見てましょう。
ニッケルカドミウムバッテリー(Ni-Cd)
昔ながらのバッテリー。ニッカドとも。30年以上前は、RCカーの充電式バッテリーと言えばこれでした。
っていうか、これしかありませんでした。
セル構成
バッテリーを構成する単電池(セル)1個当たりの標準電圧は1.2Vで、これを6セル直列でつないで7.2Vのものが一般的です(でした)。または、7セル直列で8.4Vという製品もあります(ありました)。
容量
古(いにしえ)のレーシングパックで1,200mAh、や1,400mAh、直近の製品でも最大で1,600mAh程度です。
他種に比べて圧倒的に少ない容量です。
電圧特性
満充電時の電圧は標準電圧(7.2V)より高い8.4~8.7Vで、直後に標準電圧近くに下がり、そこから使用終盤近くまで、(多少は下がりますが)比較的電圧が降下しにくく、終局で一気に電圧が下がるという特性を持っています。

充放電
良く知られていることですが、『メモリー効果』と言って、満充電前に充電をやめたり、容量を使い切らずに途中から充電をすると、バッテリー容量の上下限間隔が狭まってしまい、実際に使用できる容量が減少しています。
不使用時の自己放電が大きく、使い切った空の状態で保管しますが、過放電(ニッカドの下限電圧1Vと言われている)もバッテリーには好ましいことではないので、定期的に充放電をしたほうが良いです。
メモリー効果や過放電してしまったバッテリーは、充放電を何度か繰り返すことで復活することがある…と言われていますが、代替可能なNi-MHがある現代では、そこまでして復活するより、処分に回したほうがいいと思われます。(事故防止や環境要因的な意味も含めて)
全般
正極材料にニッケル化合物、負極材料にカドミウムを用いた蓄電池です。カドミウムは有害(毒性)物質であり、廃棄は専門業者により行われます。
回収は家電量販店やホームセンターに設置された「小型充電式電池リサイクルBOX」へ。不法投棄絶対ダメよ。
この有害性のため、徐々に使用されなくなり、その代替としてニッケル水素(Ni-MH)バッテリーに置き換わっていったという経緯があります。
でもいまだにタミヤのファインスペックにはニッカドが付いてくるんですよねぇ…フタバ・サンワのEPスタートセットでもさすがにNi-MHが付属してるのに。
たまたま手持ちにあったというのであればいざ知らず(それでも経年劣化でまともに使えるかどうかかなり怪しいですが)、新たに買い求めるときには、あまり選択として挙がらないと思います。
ニッケル水素バッテリー(Ni-MH)
Ni-Cdに代わり世に普及したバッテリー。使い勝手としてはほぼ互換に近いです。
セル構成
Ni-Cdと同様単セルの標準電圧は1.2V、6セル7.2Vまたは7セル8.4Vのものがあります。1/10バギーでは7.2Vを使うのが一般的でしょう。
容量
下は2,000mAh前後の小容量のものから、上は5,000mAhの大容量品まで、さまざまな容量のものが販売されています。
5,000mAhならNi-Cdのレーシングパック3本分じゃんすげー!
ってなりそうですが、後述のLi-Poバッテリーよりエネルギー密度が低いため、容量が大きいものほどかなり明確に重量が増えます。
連続走行時間が長くなるとモーターの発熱も増えるので、価格と性能のバランスが良く、重すぎず、そこそこ長い時間遊べるので、3,000~4,000mAh程度のものが現実的な選択肢になると思います。
私も今回の出戻りにあたって、3,600mAhのものを2本購入しました。野良ラジならこれ1本で20~30分くらいは楽に遊べますよ。
電圧特性

充電完了時とその直後はNi-Cdと似た感じですが、使用とともに徐々に電圧が下がる特性があります。
電圧が下がるということは、モーターの回転・最高速度も下がるので、規定周回を同じ速さで走りたいレースシーンにはあまり向いていません。
充放電
Ni-Cdほどではないものの、やはり多少のメモリー効果は発生するので、基本的に満充電して使い切りが好ましく、中途まで使ったバッテリーを充電したり、空バッテリーの充電を途中で打ち切るのは避けましょう。
過放電・過充電耐性はNi-Cdより多少高い程度なので、これもできるだけ避けたいところです。
自己放電は大きいので、保管時は満充電にしておく必要があり、また長期間保管していた場合は中途半端な残容量になっているので、走行前に放電・再充電を行わなければならないのが、若干面倒ではあります。
が、1,2週間程度の間隔なら、あまり気にせずそのまま使用しても甚大な性能低下は起こらないので、そこまでシビアに考える必要もありません。
全般
充電器はNi-Cdとまったく同じものが使え、Ni-Cdより容量が大きく、若干荒い使い方ができるので、ある意味Ni-Cdの上位互換とも言えます。
ただし、大容量のものはそれなりに充電に時間がかかるので、出来れば充電電流高めのものか、切替(または任意指定)の出来る充電器を使うのが好ましいです。
電圧特性のダラーっと下がる感じに目を潰れれば、野良ラジシーンで活躍できるバッテリーだと思います。
実に多種多様な製品が世に出回っていて、品質もさまざま。内部抵抗の大小もピンキリです。
あまり安すぎる品物は内部抵抗が高く、電圧が比較的高いはずの満充電直後でもぜんぜんパワー出んなぁ…ということもあるので、そういった製品を選ばないようにする注意も必要です。
昔ながらのNi-Cdのイメージに最も近く、あまり考えすぎずに使えるので、出戻りにあたって「とりあえずはこれで!」という選択になるパターンは多いと思います。私もそれです。
リチウムポリマーバッテリー(Li-Po)
セル構成
単セルの標準電圧3.7Vの2セル7.4Vの製品が主流です。
Ni-CdやNi-MHの6セル7.2Vと比べて電圧が高い分、高回転数が期待できます。
3セル11.1Vの製品もあるようですが、非主流だと思われます。
容量
2,000mAh程度の小容量のものから、8,000mAhのものまで、中には10,000mAh何ていうとんでもないものまで、様々な容量のものが流通しています。価格は容量なりに比例。同じ容量で比較するとNi-MHより割高で3~5割程度価格アップとなります。(2026年現在)
また、後述するCレート(放電レート)という指標もあり、これによっても価格に差が出てきます。
Ni-Cdに比べて圧倒的にエネルギー密度が高いため、大容量のものでも、重量増にならないという良さがあります。
価格と容量のバランスから、4,000~6,000mAh程度の容量のものが2026年現在の主流のようです。
電圧特性

使用開始から、終局近くまで、ほとんど電圧が下がらず、最後の最後にカクンと落ちるのが、Li-Poの電圧特性です。
最初元気、途中もずっと元気、最後急に失速という感じで、これがLi-Poを使う大きなメリットです。
充放電
軽く、大容量で、電圧が高くパンチがあり、また使用中にもその電圧がダレないという、素晴らしい特性を持つバッテリーですが、過充電・過放電・衝撃などにはシビアで、取り扱いについてはかなり注意が必要です。
Li-Poバッテリーは2つ(または3つ)のセルで電圧のズレが発生しないよう管理(バランスを保つ)する必要があるため、『バランス充電』を行う専用の充電器が必要になります。
セル単位の電圧危険域は、上が4.2Vで、これを超えると劣化による寿命低下、変形・膨張、最悪は発火にまで至るので、絶対にこれを超えないようにすることが、バランス充電の目的です。
そのため、バッテリーには通常の2極電源ケーブルのほか、充電時に各セルのバランスを検出するためのコードも付いています。
また、使用電圧には下限もあって、3.0V以下となると過放電となり致命的なダメージとなるため、これも破損・発火の原因となります。
必ず目の届く範囲で行う、安全バッグ(Li-Poバッグ)に入れるなど、充電時にもある程度安全のための配慮が必要です。
Li-PoのスペックにはCレートという独特の表記があり、これは数値が大きいほど瞬間に流せる電流量が大きいので、ハイトルクを求める場合には出来るだけCレートの高い製品を選びます。もちろんその分価格には反映されますが。
全般
形状はNi-CdやNi-MHとは若干異なり、角型パッケージです。またショートタイプのものがあり、マシンへの収まりについて、干渉の解消や間詰など、ひと手間が必要な場合があります。
高電圧大電流を流すことから、抵抗の多いタミヤタイプのバッテリーコネクタでは発熱が大きく、場合によってT型コネクタやXT60/90コネクタのような抵抗の小さいコネクタへの換装を検討しなければならないケースもあることに注意が必要です。
発災時の被害の大きさから、充放電・管理時の取り扱いに慎重さが要求されるものの、電圧の高さや安定性は群を抜いています。
レースシーンを主眼に置いて、正しく管理することができるのであれば、選択肢の筆頭となるでしょう。
また、Cレートにこだわらなければ、軽量大容量というのも魅力の一つです。安全な管理の下で、という条件付きではありますが、野良ラジながら走行頻度が高い場合でも活躍できるバッテリーと言えるでしょう。
リチウムフェライトバッテリー(Li-fe)
セル構成
単セル標準電圧3.0Vの2セル6.6Vで構成されています。
容量
市場に流通しているLi-Feバッテリーの容量は、2,000mAh~3,000のものが一般的で、最大でも4,000mAhが現在の上限です。
エネルギー密度が低いバッテリーなので、Li-Poのような大容量化が難しいバッテリーです。
Ni-MHやLi-Poと比べると、やや物足りなく感じるかもしれませんね。容量単価は、他のバッテリーより割高な傾向です。
電圧特性

セル構成で書いた通り、2セル6.6Vなので、他のバッテリーと比べるとかなり低めです。
使用中の安定感は抜群で、終局近くまでほとんど電圧降下は感じられず、抜群に安定しています。
充放電
メモリー効果はほぼなし、自己放電も少なく、過放電耐性は高めで、他のバッテリーほど保管管理に気を遣わずに済みます。
充放電サイクル寿命も長い(1,000回程度、他のバッテリーは500回程度と言われている)ため、比較的長期間にわたって使い続けることができます。
満充電電圧(標準電圧ではないよ)は他のバッテリーが8.0V以上なのに対し、Li-Feは7.2V前後なので、充電器はこれに対応した「Li-Feモード」のある充電器が必要になります。
Li-Poと名前が似ているので、モード間違いには注意が必要です。
全般
管理手間が圧倒的に小さく、他のバッテリーに比べかなり安全に使用できるという、なにものにも代えがたいメリットがあります。
手軽さで言えばホビーラジコンを緩く遊ぶのにちょうどいいですが、トレードオフで出力の低さと容量の小ささに目をつぶれるか、というところがこのバッテリーを選定する際のポイントになると思います。
バッテリーパック形状は、Li-Poと同様ショートタイプのものもあるので、使用するマシンに搭載可能かどうかチェックが必要です。
各種バッテリーの特性まとめ
以上4種類のバッテリーの特性をまとめたものが下図になります。

こうすると一目瞭然という感じですが、出力性能を欲するのであればLi-Po、価格性能バランスを考え、お手軽に始めるのであればNi-MHという感じですね。
Cレート(放電レート)と充電レート、充電時間
Cレート(放電レート)
昔はあまり耳にしなかったCレートというものがあります。『C』というのは『キャパシティ(Capacity)』の頭文字で、電気的容量を意味しており、どれだけの電流を安全に取り出せるか、を表しています。算術上の単位は時間分の一(1/h,1/hour)です。
例えば、6,000mAhのバッテリーでCレートが30Cだった場合、
6,000mAh×30C(1/h)=18,000mA=180A
のように容量とCレートを乗じて求めます。
これがそのバッテリーの能力として瞬間に流し得る最大の電流です。(もちろんESCの能力がそれに満たない場合は、ESCの能力がボトルネックにはなりますが)
通常、放電Cレートが表記されているのはLi-Poのみです。これは、特にLi-Poの特性として内部抵抗が小さく、性能差(≒製品ごとの品質差)が大きいため、それを明確に表示するという背景があるため。
Ni-MHなど、他のバッテリーにもCレートは存在しますが、Li-Poほど製品ごとの差が大きくなく(電気化学的な意味でLi-Poに比べ内部抵抗が大きい)、これを表示する文化がないというだけで、ESCの能力で流せるだけいくらでも電流を流せる、というわけではありません。
そういった面でも、Li-Poは瞬時の出力を要する用途に向いている、と言えます。
充電レート
また、Cレートは充電にもかかわっており、バッテリーが受け入れられない(充電速度に内部的な化学反応が付いてこない)と加熱・発火のリスクがあります。
バッテリー種別によらず、安全に充電できるCレートは1C以下が大原則です。ここで言う1C充電というのは「そのバッテリーの容量を1時間で充電出来る電流量」を意味します。
Li-Poに表記されている20Cとか30Cというのは、あくまで放電の方の特性ですので、充電と勘違いしないように注意しましょう。
例えば、3,600mAhのバッテリー1C充電する場合、
6,000mAh×1C(1/h)=6,000mA=6.0A
のように、放電Cレートと同様、容量を乗じて充電電流を求めます。つまり安全に充電できる電流(=1C充電)は、6.0Aまで、ということになます。
逆に、同じバッテリーを9.0A(=9,000mA)で充電した場合は
9,000mA÷6,000mAh=1.5C(1/h)
という計算になり、充電速度は1/1.5=0.666…h=40minと早くなりますが、安全の指標とされる1Cの1.5倍の負荷がかかることになるため、危ないのでそんなに高い電流で充電するのはやめましょう、と言うように考えます。
充電器の選定
Ni-CdやNi-MHなどの「差すだけ充電器」を購入する際は、バッテリー容量との組み合わせで、充電電流量が1Cを越えないか注意する必要があります。
といっても、実際世に流通している「差すだけ充電器」はほとんどが1~1.6A以下、大きくても2A程度(どれも2,000~3,000円台で安く入手できて、だいたいオートカット機能付)までですし、バッテリー容量は最低でも1,600mAhはあるでしょうから、あまり神経質にならなくてもいいでしょう。
逆に、充電器の電流量が小さすぎると、それはそれで充電に時間がかかってしまうので、そっちの方が気になるかもしれません。
タミヤのファインスペック付属の充電器などは380mA(0.38A)なので、1,600mAhのバッテリーでも充電に1,600mAh/380mA=4.2hと、4時間以上かかってしまいます。
複数バッテリーを所持していると、安全ではありますが、ちょっと実用的な充電速度とは言い難いです。
Li-Poに関しては、バランス充電を行う必要があることから、専用またはマルチ充電器を使うことになります。そういった充電器には充電電流を任意に指定する機能があるため、充電するバッテリーの容量を基に、1Cになるよう充電電流を決定します。(安全バッグをお忘れなく。)
以上より、Ni-Cd/Ni-MHをお手軽に充電したい場合は安価な察すだけ充電器で、これらのバッテリーでも充電速度を求める場合、あるいはLi-Po/Li-Feを使用する場合は専用充電器またはマルチ充電器を選ぶことになります。
多種のバッテリーを混用、用途で使い分けする場合にはマルチ充電器一択です。
なお、マルチ充電器は差すだけ充電器に比べて若干割高ですが、ジーフォースの「G4 MULTI CHARGER G0204」は4,000円前後、ハイテックのACバランス充電器「X1 PocketⅡ」は6,000円前後(価格はいずれも2026年春現在)で、差すだけ充電器と比べてもそれほど大きな価格差があるわけではありません。

Ni-Cd/Ni-MHで始める場合でも、将来的にLi-Poへのステップアップまたは混用を考えているならば、初めからマルチ充電器を購入するのが良いと思います。(と言いながら、私は初期投資額を設定したので、差すだけ充電器を買っちゃいましたが)
バッテリー関係は、新たに覚えることが多くてなかなか大変ですが、しかし40年前に比べれば選択肢も増え、なにより走行時間がとんでもなく伸びたので良くなったんじゃなないかなと思います。
なんせタミヤの(急速ではない)標準充電器で1,200mAhのNi-Cdを充電するのに8~9時間かかったし、オートカット機能も無かったので、夜充電したまま朝学校行く前に抜くのを忘れた…なんてわりと日常茶飯事でした。いや、ほんと事故にならなくてよかったです。
メカ関係は、あとモーターとESCについても多少状況が変わっていると思うのでその辺を少し整理し、その後いよいよDT-04の組立編に入っていきたいと思います。

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